Friday, July 29, 2016 9:56 AM

陛下、来月にもお気持ち 8日軸に調整、生前退位

 天皇陛下が皇太子さまに皇位を譲る生前退位を巡り、早ければ8月上旬にも、陛下自身が象徴天皇としての今後の公務への向き合い方などについて「お気持ち」を表明される方向で宮内庁が検討を進めていることが29日、同庁関係者らへの取材で分かった。8日を軸に詰めの調整中で、テレビ中継やビデオメッセージで国民に直接語り掛ける方法も浮上している。

 ただ、生前退位は皇室典範に規定がなく、実現には法改正などが必要。陛下が直接的な表現で意向を示した場合、国に制度変更を促す内容になりかねず憲法に抵触する可能性があるため、「退位」などの具体的な文言は使われない見通し。

 表明するお気持ちについては、82歳の陛下が今後も年齢を重ね、将来的に憲法が定める象徴天皇としての務めや公務を十分に果たせなくなった際に、そのまま皇位にとどまっていいのかという思いをにじませ、広く国民に語り掛けるものになるとみられる。(共同)