Friday, July 29, 2016 5:43 PM

いらない命なんてない 不安抱える障害者や家族

 相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で19人が刺殺され26人が負傷した事件を受け、障害のある人や家族は不安を抱えている。障害者を差別する植松聖容疑者(26)=殺人容疑などで送検=の言葉に傷つき、同じような事件がまた起きないかと心配する。それでも「いらない命なんてない」「胸を張って生きよう」と声を上げる。

 「ヒトラーみたいな恐ろしい考えが広がるのではないか」

 埼玉県川越市に住む伊藤み代さん(63)はニュースを見ながら表情を曇らせた。2人で暮らす長男大貴さん(31)は重度の知的障害を伴う自閉症だ。大貴さんは15歳で絵画に出会い、現在は週3回、NPO法人のアトリエで絵を描いて収入を得ている。富士山の絵は口コミで評判となり、個展を開くほどの人気に。(共同)