Monday, August 01, 2016 10:22 AM

100年に一度の経済危機 ブラジル、五輪効果乏しく

 リオデジャネイロ五輪開幕を控えるブラジルの景気低迷が深刻だ。主要輸出品の資源価格の下落に伴い、2年連続のマイナス成長は確実。五輪に投じた巨額の公費で財政は切迫し「100年に一度の経済危機」(欧米メディア)に陥った。五輪の景気浮揚効果は乏しい見込みで、国民は五輪への反発を強めている。

 「暗黒の時代だ。今は耐えるしかない」。リオの日本企業駐在員が嘆く。昨年の国内総生産(GDP)が6年ぶりのマイナスとなる前年比3.8%減だったのに続き、今年もマイナス圏が確実視される。さらに、海洋資源開発を進める国営石油会社ペトロブラスを巡る汚職事件の影響で造船業が打撃を受け、IHIは完全撤退、三菱重工業も造船業から撤退した。

 五輪開催が決まった2009年、ブラジル経済は絶好調だった。新興5カ国(BRICS)の一角として急成長。10年の経済成長率は7.5%に達した。だが、鉄鉱石や原油といった資源価格の低迷で下降に転じ、14年のサッカー・ワールドカップ(W杯)前には巨額の公費の無駄遣いを批判するデモが頻発した。(共同)