Monday, August 01, 2016 5:51 PM

自民幹事長人事 安定重視も党内さざ波

 安倍晋三首相は3日の内閣改造・自民党役員人事で、政権運営の要となる幹事長に二階俊博総務会長を充て、岸田文雄外相を留任させる意向を固めた。入院中の谷垣禎一幹事長の慰留に失敗した末の人選からは、政権浮揚より安定重視の本音が透ける。融通無碍で知られる二階氏の起用は2018年9月までの党総裁任期を延長する布石との臆測も広げた。石破茂地方創生担当相が入閣を見送る方向となるなど、党内にさざ波が立つ。

 「大変忙しい時期に入っていく。党と協調して取り組みたい」。首相は1日、二階氏と官邸で向き合うと、環太平洋連携協定(TPP)承認や16年度補正予算など懸案が待ち受ける秋の臨時国会を念頭に結束を呼び掛けた。

 「敵になると怖いが、味方に付けるとこんなに心強い人はいない」。首相が周囲に示す二階氏の人物評だ。二階氏は1993年に小沢一郎氏(現生活の党共同代表)と自民党を飛び出して新生党などで行動を共にし、曲折の末に10年後に自民党に復党した経歴を持つ。第1次安倍政権でも国対委員長を務め、公明党とのパイプが太い。自民党役員就任に伴って派閥を離脱しているが、30人超の二階派を事実上率いる。(共同)