Tuesday, August 02, 2016 9:58 AM

財源流出、東京が最多 返礼品影響、効果ばらつく

 総務省は2日、好きな自治体に個人が寄付をすると住民税などが軽減される「ふるさと納税」で、2015年の寄付額を反映して各自治体が16年度に失う個人住民税の金額を発表した。総額は前年度の5.4倍となる998億5000万円で、居住している自治体から寄付先に財源が流出する。都道府県別では東京の261億6000万円が最も多い。

 全体として都市部から地方に税収が移動しているが、返礼品を充実させている自治体に寄付が集まる傾向がある。地方の自治体間でも収支に差が出ており、ふるさと納税の効果はばらつきがみられる。行き過ぎた返礼品競争を抑え、地方を応援する本来の趣旨に合う制度にすることが課題だ。

 自治体の地域活性化事業に寄付した企業の税負担を軽減する「企業版ふるさと納税」では、内閣府が同日、第1弾認定事業として福井や宮崎など全国の6県と、34道府県にある81市町村の計102事業を決定した。地域貢献を通じてイメージアップを図ろうとする企業に向け、寄付金の使い道を巡る自治体のアピール合戦が本格化しそうだ。(共同)