Tuesday, August 02, 2016 5:47 PM

「先祖返り」で副作用懸念 家計支援は脇役に

 政府が「アベノミクスの再加速」に向け閣議決定した経済対策は、公共事業や財政投融資の積極活用など、かつて乱発された「先祖返り的な施策」(市場関係者)が中心で、建設業の人手不足や民間金融機関の収益圧迫といった副作用を招く懸念も出ている。参院選前に強調された家計支援策は脇役となり、消費不振の主因である将来不安を解消する道筋は見えない。

 「未来への投資を大胆に行う力強い経済対策をまとめることができた」。2日午前、官邸で開かれた政府、与党の政策懇談会。安倍晋三首相は居並ぶ幹部らを前に、自信に満ちた表情で協力を呼び掛けた。

 対策の恩恵を受ける代表例が建設業界だ。これまでの景気対策などで大手ゼネコンの業績は既に過去最高水準だが、今回も業界団体が自民党に「公共事業を柱とした補正予算編成」を要請。対策には「未来への投資」という名目で港湾や空港、観光拠点の整備などがふんだんに盛り込まれた。(共同)