Tuesday, August 02, 2016 5:47 PM

目玉人事に内外警戒 石破氏、首相と距離

 安倍晋三首相は自身に近い自民党の稲田朋美政調会長を防衛相に充てる意向を固めた。女性2人目の防衛相という目玉人事だが、稲田氏は極東国際軍事裁判(東京裁判)の検証を提唱した経緯もあり、歴史問題に敏感な中韓両国など内外に警戒感が強まる。一方、石破茂地方創生担当相は首相と距離を置き、閣外で「ポスト安倍」を狙う。政権運営に不安材料を抱えながら安倍内閣の新布陣が3日から動きだす。

 「今日が最後の会合になる。まだやり残したことはあるが本当に幸せだった」。稲田氏は2日の党政調審議会で、感極まって言葉を詰まらせつつ、新たなポストで全力を挙げる考えを強調した。政調会長への続投を希望していただけに、本人にとっても「サプライズ人事」。首相から伝えられた後、稲田氏は「衝撃的だ」と周囲に漏らした。未経験の安全保障分野で力を蓄えるとして受諾した。

 稲田氏が政界入りしたのは、党幹事長代理だった首相の目に留まったのがきっかけだ。弁護士出身で「分野を問わず政策の理解力は高い」(若手議員)と評される。「政治家なら誰でも首相を目指している」と公言したこともある。(共同)