Thursday, October 19, 2017 2:17 PM

中国の鳥インフルエンザ、哺乳類でも 人での感染も警戒

 中国の鳥で流行し、人への感染も確認されている鳥インフルエンザウイルス「H7N9型」が、哺乳類の実験動物同士でも感染し高い致死性を持つことを確かめたと、東京大などのチームが19日付の科学誌電子版に発表した。今のところは起きていないが、同じ哺乳類の人同士でも感染が広がる可能性があるという。

 2013年に中国で人への感染が確認されたH7N9型ウイルスには、鳥が重症化しにくい「低病原性」のもののほか、変異して毒性が高まった「高病原性」のものがある。今回確かめたのは高病原性ウイルスの哺乳類間での感染で、チームの河岡義裕・東京大教授(ウイルス学)は「もし人で流行をしたら大被害を生む可能性がある。ウイルスの性質が分かったので、流行に備えた対策に役立つ」としている。

 河岡氏らは、中国の患者から採取した高病原性ウイルスをイタチ科の小動物フェレットに感染させて実験。ウイルスは肺や脳でよく増えた。感染した個体の隣で飼われた個体が感染して死ぬ例がみられ、少量でも体内に入れば重症化して死ぬことが分かった。(共同)