Wednesday, August 03, 2016 9:53 AM

飲食サービスは機械化可能〜管理職や歯科衛生士は困難

 さまざまな業界で機械による作業の自動化が進んでいるが、ロボットに仕事を奪われる可能性は職種や業務内容によって違うようだ。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、コンサルティング大手のマッキンゼーは労働統計局(BLS)などのデータを基に800以上の業種で見られる2000以上の作業を分析し、どの業界や業務が最も機械化されやすいかを調査した。その結果、現在の技術水準では食品サービス、製造、小売りが最も機械に仕事を奪われやすく、医療や教育が最も奪われにくいという。

 作業別では、梱包(こんぽう)、組立工場の溶接、食事の準備といった同じ動作の繰り返しが多い作業が最も影響を受けやすく、米国の職場ではこうした作業が全体の約5分の1を占めている。

 食品サービス業界では、作業の73%がすでにある技術で機械化できると見られる。製造業は全体の59%が機械化可能だが、特に溶接、切断、はんだ付けは90%に達する。一方で顧客サービスは機械化できる部分が少ない。

 全般的に機械化が難しいのは、管理職や人材育成といった人の管理、決定や計画立案、創造的な業務に専門能力を提供する仕事だという。医療も患者との直接のやりとりが大部分を占め、豊富な専門能力も必要なため機械化は難しく、歯科衛生士の場合は業務の約13%しか機械化できないと推定される。

 一方、機械化が可能でも安い労働力が豊富に供給される分野は機械化が遅れる可能性がある。昨年のマッキンゼーの中間報告は、人が報酬を受けて行う仕事の45%は機械化される可能性があり、約60%の職業で仕事の30%以上が自動化される可能性があると指摘した。