Wednesday, August 03, 2016 5:45 PM

検証・内閣改造 誤算の連鎖、均衡変容

 安倍晋三首相は第3次再改造内閣を発足させた。続投を見込んでいた自民党の谷垣禎一前幹事長は入院して交代。閣内残留を求めた石破茂前地方創生担当相も後継首相を目指し、閣外へ去った。中核を維持する人事構想はほころびを見せ、誤算の連鎖が政権の均衡を変容させるリスクを生む。首相の総裁任期が残り2年となるのを見据え「ポスト安倍」への胎動も始まった。

 「谷垣さんに『頼りにしている』と伝えてください」。参院選後の7月中旬、首相は盟友の麻生太郎副総理兼財務相に谷垣氏への伝言を頼んだ。事実上の続投要請だった。

 財政規律を重んじる谷垣氏と消費税増税の再延期を巡り見解の相違もあった。それでも野党時代に総裁として党を率いた谷垣氏は最終的には協力姿勢を示し、首相と距離を置く議員も含めた党の結束につながった。(共同)