Monday, June 20, 2016 11:00 AM

輸出、米中向け不振鮮明 円高が逆風、改善も期待薄

 財務省が20日発表した5月の貿易統計(速報、通関ベース)では、中国や米国向けの輸出不振が鮮明になった。今後は急速な円高が逆風となるのに加え、世界経済の成長が鈍化するとの予測もあり輸出増による貿易収支の改善は期待しにくい。

 中国向けは前年同月比14.9%減の9019億円。集積回路(IC)などが17.1%減となったほか、エチレンなどの有機化合物が24.3%減だった。昨年8月以降、今年2月を除く9カ月でマイナスとなっている。

 米国向けは10.7%減の9699億円で、3カ月連続のマイナス。自動車部品は13.1%減り、鉄鋼が39.3%と大幅に減少している。鉄鋼は、中国の供給過剰による価格下落などが原因で過剰生産の解消には時間がかかるとの見方が強い。(共同)