Friday, August 05, 2016 11:16 AM

陛下の表明、8日午後3時 「象徴としての務め」

 天皇陛下の生前退位を巡り、宮内庁は5日、陛下自身によるビデオメッセージを8日午後3時に公表すると発表した。同時刻に宮内庁のホームページ(HP)に動画が掲載される。内容は「象徴としてのお務めについてのお気持ち」としている。天皇に政治的権限を認めていない憲法に照らし、退位の意向を明言して法整備を求めるような直接的な表現は避けるが、日本国や国民統合の象徴として今後の公務にどう向き合うかについて思いを伝える。

 皇室典範には規定がないため、陛下から皇太子さまへの生前退位を実現するには、法改正や特別立法が必要となる。政府は既に6月から極秘チームをつくって水面下で検討を進めており、陛下の表明を受けて本格的な議論を進めることになりそうだ。安倍晋三首相もコメントを出す方向で検討している。

 陛下がビデオで心情を示すのは、東日本大震災の発生5日後となる2011年3月16日以来で、今回が2回目。生前退位を巡る法整備の動きが7月に表面化して以降、国民の関心が高まっており、宮内庁は陛下と協議を重ね、誤解の無いように自らの言葉で真意を伝えることができる手法としてビデオを選択した。(共同)