Monday, August 08, 2016 5:40 PM

長期の政策金利見通し、さらに低下も パウエルFRB理事

 米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル理事は8日付の英紙フィナンシャル・タイムズのインタビューで、米国の長期的な政策金利の水準は現在の想定よりも低い可能性があるとの見方を示し、追加利上げは急がず、かなり緩やかなペースで実施することが必要だと述べた。7月の雇用統計の発表前日の4日の発言としている。

 理事は、米経済成長や潜在成長率が長期的に低い水準にとどまることに懸念を強めていると指摘。成長や物価上昇の鈍さなどを背景に連邦公開市場委員会(FOMC)参加者が見込む長期的なフェデラルファンド(FF)レートの水準は徐々に下がっており、今年6月時点では3%と3月時点の3.3%から低下したが、理事は「もっと低い可能性がある」と述べた。

 足元の米経済は「リスクだらけという状態ではない」とし、金融危機以降の過去7年ほどの回復パターンを維持しているとする一方、世界を見回すと米経済に影響を及ぼし得るリスクは多いと分析。米国以外の全ての国が政策金利の引き下げに取り組み、世界的に需要が弱い中で利上げをするのはやっかいなことだとした。「物価は目標(の2%)を下回っており、FRBは(追加利上げに)忍耐強く臨むことが可能だ」と強調した。(共同)