Tuesday, August 09, 2016 11:15 AM

日中関係「著しく悪化」 岸田氏が抗議、中国無視

 岸田文雄外相は9日午前、中国の程永華駐日大使を外務省に呼び、沖縄県・尖閣諸島周辺で多数の中国公船が航行している問題を取り上げて抗議した。「日中関係を巡る状況は著しく悪化している」と伝え、即刻引き揚げるよう求めた。尖閣近くの領海と接続水域ではその後も公船の姿が確認された。外相の要求は聞き入れなかった格好で、中国の海洋活動は一段と活発化するとの観測が出ている。日中関係は緊張が高まった。

 日本の閣僚が中国に直接抗議するのは、中国の公船と漁船がそろって領海に侵入した5日以降で初めて。外務省は杉山晋輔事務次官らが再三抗議していたが、多数の公船と数百隻もの漁船がとどまっているため、政治レベルで対応する必要があると判断した。

 岸田氏は程氏に「一方的に現場の緊張を高める行為は断じて受け入れられない」と述べ、一刻も早く船を引き揚げさせるよう要求。この後、記者団に「状況を注視した上で、適切に対応したい」と述べた。(共同)