Wednesday, January 31, 2018 11:09 AM

首相「改憲議論は義務」 国会での与野党協議促す

 安倍晋三首相は31日の参院予算委員会で、憲法改正について「国民が(改憲の)権利を実行するために、国会で真摯な議論を深めることが必要であり、私たちにはその義務がある」と述べ、与野党協議を促した。「義務」という強い表現を使って議論を加速させる狙いがあるとみられるが、行政府の長である首相が国会での議論を主導することには野党から反発も出そうだ。

 一方、自民党の憲法改正推進本部(細田博之本部長)は31日午前、今年初めての全体会合を党本部で開き、大規模災害時などに対応する緊急事態条項の新設を巡り議論した。国会議員の任期延長に限る案への意見集約を目指したが、賛否が割れ、先送りした。3月25日の同党大会までに党改憲案を策定するため、党内で見解が分かれる9条改正と共に一本化を急ぐ。

 首相は参院予算委で「党利党略や党が割れるからとかではなく、前向きに取り組んで良い案が出ることに期待したい」とも強調した。安倍政権下での改憲議論に反対する立憲民主党や、9条改憲に対する賛否が混在している希望の党を念頭に置いているとみられる。(共同)