Friday, February 16, 2018 11:21 AM

時短根拠は厚労省調査のみ 法案提出は3月ずれ込み

 働き方改革関連法案に盛り込まれる裁量労働制を巡り、厚生労働省の調査結果に疑義が生じている問題で、同省がこの調査結果以外に、働く時間の縮減効果を示すデータを持っていないことが16日、分かった。政府はこれまで「裁量制の方が働く時間は短いというデータもある」と主張してきたが、客観的な裏付けが失われたことになり、野党の追及は必至だ。

 一方、自民党内でも中小企業の支援策について法案に注文が相次いでいる。厚労省は与野党双方への釈明に追われており、当初2月下旬を予定していた法案の国会提出が、3月にずれ込む見通しだ。

 問題となっているのは「2013年度労働時間等総合実態調査」。調査を基に厚労省が作成した資料によると、1日当たりの働く時間は一般労働者で9時間37分、企画型裁量制はこれより短い9時間16分だった。安倍晋三首相はこのデータを引用して、長時間労働の助長を懸念する野党に反論していた。(共同)