Friday, March 02, 2018 11:15 AM

米、鉄鋼・アルミ輸入制限 関税25%と10%、長期間

 トランプ大統領は1日、鉄鋼とアルミニウムの輸入増が安全保障上の脅威になっていると断定し、輸入制限を発動する方針を表明した。「鉄鋼に25%、アルミに10%の関税を課す」と述べた。来週に正式決定する。国内産業の保護を目的に約36年ぶりとなる異例の強硬策に踏み切る。長期にわたって実施する考えだ。

 対象国は言及しなかったが、過剰生産した鉄鋼などを安値で輸出し、世界的な価格下落を招いている中国が標的だ。日本も含まれる可能性がある。中国外務省の華春瑩副報道局長は2日、「自国の利益のために他国に損害を押しつけるべきではない」と反発。欧州連合(EU)も報復措置に出る構えで、貿易摩擦の激化が世界経済に悪影響を及ぼす恐れがある。

 輸入制限は、安保上の脅威を理由に一方的な対抗措置を取れると定めた米通商拡大法232条に基づく措置で、発動はリビア産原油の輸入を禁じた1982年以来。(共同)