Friday, March 09, 2018 11:20 AM

iPS心筋、厚労省に申請 大阪大、世界初の臨床研究

 大阪大の澤芳樹教授(心臓血管外科)のチームは9日、人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作製した「心筋シート」を重症心不全患者の心臓に移植する世界初の臨床研究を、厚生労働省に実施申請した。認められれば、春から夏にも始める。

 チームは、法律に基づき学内に設置された「特定認定再生医療等委員会」に昨年7月に申請。同委員会は研究内容や倫理面などの審査に当たり、今年2月末、患者への説明をより丁寧にするように、説明文章の一部を修正することを条件に大筋で承認した。文章の改善が確認できたため、今月9日、正式に承認した。

 計画ではiPS細胞を心筋細胞に変化させてシート状(直径数センチ、厚さ約0・1ミリ)にし、虚血性心筋症の患者3人の心臓にはり付けて、安全性や効果を確かめる。iPS細胞は、京都大の山中伸弥教授らが備蓄を進める、拒絶反応が起きにくいものを使用する。(共同)