Friday, March 09, 2018 11:21 AM

佐川国税庁長官が辞任 森友文書の混乱で引責

 学校法人「森友学園」への国有地売却問題で批判を受けていた佐川宣寿国税庁長官(60)は9日、辞任した。政府の持ち回り閣議で決定した。財務省理財局長時代の答弁が「虚偽だ」と指摘され、決裁文書の書き換え疑惑でも国会審議を混乱させたとして責任を取った。事実上の更迭となる。財務省は書き換え疑惑に関する調査結果を12日に報告する方針。野党は安倍晋三首相や麻生太郎副総理兼財務相の責任を追及する。首相の政権運営に打撃となるのは必至だ。

 森友学園問題は、国会対応を主導した財務省幹部の辞任に発展した。徴税部門トップが確定申告期間中に交代する異例の事態となる。佐川氏は書き換え疑惑のある決裁文書が開示された当時、国有財産管理を統括する責任者。国会が正常化する見通しは立っていない。 麻生氏は9日夜に記者会見し、自身の進退について「考えていない」と述べた。佐川氏から辞任の申し出があったと説明。同時に「行政への信頼を損なった」として減給処分にしたと明らかにした。書き換え疑惑に関する財務省の調査結果は来週早々に示すとした。これに関連し、佐川氏に追加の懲戒処分を下す可能性にも言及した。

 佐川氏は、辞任理由について記者団に「決裁文書の話が国会で大きな議論となり、文書提出時の担当局長だった責任を感じた」と述べた。(共同)