Thursday, March 22, 2018 11:24 AM

世界のCO2排出17年に増加 14〜16年の横ばいから一転

 国際エネルギー機関(IEA)は22日、2017年の世界の二酸化炭素(CO2)排出量は16年比1.4%増の325億トンで、14〜16年の横ばいから増加に転じたと発表した。世界経済が好調で、化石燃料の消費が拡大したため。エネルギー効率の改善が滞っており「地球温暖化に対抗するパリ協定の目指す水準には、現状の取り組みでは不十分だ」と指摘している。

 発表によると、17年のエネルギー需要は16年比2.1%増。需要の伸びの7割は比較的価格が安かった化石燃料が占めた。CO2を多く排出する石炭火力発電所が主にアジアで増加したため、エネルギー消費によるCO2排出量は、14〜16年の321億トンから4億トン余り増えて過去最大だった。

 米国や英国、メキシコ、日本では排出量は減少した。特に米国では再生可能エネルギーが広がり、16年比2500万トンと世界で最も減らした。米国の減少は3年連続。英国の排出量は16年比3.8%減で、過去約60年間で最も低いレベルだった。石炭の利用を抑えたためとみられる。(共同)