Wednesday, March 28, 2018 10:50 AM

違憲性否定し強制不妊励行 旧厚生省、通知で自治体に

 旧優生保護法(1948〜96年)下で障害者らへの不妊手術が繰り返された問題で、旧厚生省が49年の都道府県宛ての通知で、本人同意のない手術に関し、「不良な子孫の出生防止」という公益上の目的があり、医師の判断も前提としているとして「憲法の精神に背くものではない」との見解を示していたことが28日、分かった。国として優生思想を肯定し、違憲性はないとの認識の下で強制手術を励行していた状況がうかがえる。

 今の政府は「障害者白書」などで障害者基本法の理念に基づき、優生思想につながる差別や偏見を否定しているが、旧法下での不妊手術の問題では謝罪や補償に応じていない。国会議員らの間でも救済を模索する動きが広がる中、今後の対応が注目される。

 旧厚生省通知は49年10月24日、公衆衛生局長名で都道府県知事に宛てたもの。本人同意がない事案で、都道府県の優生保護審査会による手術容認の決定が確定した場合などに関し、旧法の規定を踏まえて「本人が拒否しても手術を強行できる」との解釈を示している。(共同)