Tuesday, April 10, 2018 10:51 AM

移民ら「戻れば殺される」 700人、メキシコ市入り

 「戻れば殺される」。治安悪化が激しい中米諸国から逃れ、米国を目指してメキシコを縦断している移民ら「キャラバン(集団)」。約700人が9日、首都メキシコ市に入った。トランプ大統領は州兵動員などで国境警備の強化を示す。それでも移民らは、あくまで米国への政治亡命などを求め北上を続ける。

 「私たちには行く場所がない」。ホンジュラス人の手芸職人カルロス・モンカダさん(34)が話す。世界最悪レベルの危険な都市として知られる同国北西部サンペドロスラから妻(38)と子ども3人と逃げてきた。

 メキシコ市入りする前に身を寄せていたのはメキシコ中部プエブラの教会。大勢の人が床に敷き詰めた布団で横になっていた。所持品は少なく、着の身着のままの人も。

 モンカダさんは親戚がギャングに殺され、度重なる脅迫に身の危険を感じた。誘拐を恐れ、子どもを外で遊ばせることもできない日々。「生きた心地がしなかった」。一足先に渡米した母親が暮らすテキサス州を目指している。(共同)