Thursday, November 06, 2025 6:37 AM
9月の新車価格が過去最高を更新、初めて5万ドルを突破
販売動向調査で定評のあるケリー・ブルー・ブックによると、9月の米国新車の平均取引価格(ATP)は5万80ドルとなり、米国史上、初めて5万ドルを上回った。調査会社のコックス・オートモーティブが伝えた。新車価格は1年以上着実に上昇を続けており、ここ数ヶ月で上昇ペースが加速している。価格上昇にもかかわらず、小売販売は堅調なペースを維持している。
9月の新車ATPは前月比では2.1%上昇、前年同月比では3.6%の上昇だった。インセンティブ支出はATPの7.4%(約3700ドル)に増加、インセンティブ水準は25年で最高値となった。
26年モデルがディーラーに納品される中、メーカー希望小売価格(MSRP)も9月に5万2183ドルと過去最高を更新した。
高級車と高価なEVモデルが、ATPを過去最高水準に押し上げた。ケリーブックによると、EVシェアは11.6%と過去最高を記録し、EV平均販売価格は5万8124ドルで、8月から3.5%上昇した。
9月は7万5000ドル超のATPを持つモデルが60以上存在し、総販売台数は約9万4000台に達した。業界総販売台数の7.4%を占め、24年9月の6.0%から増加した。6桁(10万ドル超)価格帯領域では、キャデラック・エスカレードが依然として王者で、2つのバージョンが提供され、9月の総販売台数は4320台に達した。
コックス・オートモーティブは「新車価格を重視する多くの購入者は購入を見送るか、中古車を選択している。現在の市場を牽引しているのは富裕層世帯だ。米国で最も売れている車両がフォードのピックアップトラック(通常6万5000ドル以上)であるため、5万ドルの壁突破は予想されていた」と説明している。
好調な富裕層消費に対して、低所得者の消費動向は厳しい。自動車ローンの支払いを90日以上延滞している比率は6月時点で4.9%に達した。
自動車各社は今後、関税による値上げを表明するとみられ、さらに自動車運搬船に対する入港料の引き上げなども加わり、状況は厳しくなりそうだ。