Friday, April 27, 2018 10:47 AM

物価目標の達成時期削除 日銀、2%見通せず

 日銀は27日の金融政策決定会合で、これまで「2019年度ごろ」と明示してきた物価上昇率2%目標の達成時期の見通しを削除することを決めた。会合後に公表した19、20年度の物価上昇率見通しが1・8%にとどまり、達成時期を示すのが困難になったとみられる。金融政策は、物価上昇の方向性は変わっていないとして、現行の大規模な緩和策を据え置いた。
 黒田東彦総裁は会合後の記者会見で金融市場の一部に物価見通しと追加緩和を結び付ける見方があると指摘し「物価の先行きには不確実性があり、数字にだけ過度に注目が集まるのは適切ではない」と述べた。自身の物価見通しについては「19年度ごろに2%に達する可能性が高い」と従来の見解を改めて示した。
 日銀は黒田氏が総裁に就任した直後の13年4月、物価2%を目指して大規模緩和に踏み切った。当初2年程度で実現するとしていたが、これまでに達成時期を6回先送りした経緯がある。(共同)