Tuesday, May 01, 2018 11:08 AM

汚れた水、苦しむ住民 目玉の過疎地支援に疑念

 トランプ大統領が経済政策の柱として掲げた巨額インフラ投資計画に、疑念の声が上がっている。目玉は過疎地の重点支援だが、地元住民が待ち望む老朽インフラの整備は期待できないとの見方が浮上。かつて栄えた「ラストベルト(さびた工業地帯)」の一角では、トランプ政権を支持する住民が汚れた水に苦しみながら悲壮な思いで水道の修繕を求めていた。

 蛇口をひねると、白濁した水が勢いよく流れ出した。卵の腐ったような臭いが台所に漂う。米東部を貫くアパラチア山脈西端。ケンタッキー州マーティン郡では2000年ごろから水質汚染が深刻だ。茶、緑、オレンジ…。日によって水の色や臭いが変わる。「飲むなんてとんでもない」。入浴して発疹が出たというゲリー・ハントさん(39)はうんざり顔だ。

 汚染の主な理由は上水道施設の老朽化だ。周辺は炭鉱の閉山で過疎化が進行。相次いで閉鎖された工場の跡地に放置された化学薬品が土壌に染み出し、壊れた水道管に入り込んだ。怒る住民はデモを重ねるが、郡は予算不足を理由に改修を拒否する。(共同)