Tuesday, May 01, 2018 11:09 AM

イラン核合意巡り神経戦 米離脱判断前に駆け引き

 イスラエルのネタニヤフ首相が、イランには核兵器開発を進めていた過去があると訴え、トランプ大統領に核合意離脱を迫った。だが明確な証拠は示さず、神経戦の様相が濃い。一方、英国、フランス、ドイツの3カ国首脳は米国に合意の堅持を求めることで一致。離脱に関する米国の判断期限の12日が迫り、駆け引きが活発化してきた。

 「イランは核兵器開発の意図はないと繰り返してきた。うそつきだ」。ネタニヤフ氏は4月30日のテレビ演説で、イランの核交渉責任者ザリフ外相らの写真を示しながら主張。核合意の離脱が「イスラエル、米国、世界の平和にとって正しいことだ」と呼び掛けた。

 ネタニヤフ氏は、イランが2015年の核合意以前に「アマド計画」と呼ばれる秘密裏の核兵器開発を進めてきたとして、ウラン濃縮や核爆弾の製造、運搬手段となる弾道ミサイル開発など包括的な計画だと指摘。核合意で核開発制限の一部条項が切れる25年以降に核兵器開発を再開するため、イランが過去の核開発に関する資料を保管していると訴えた。(共同)