Wednesday, May 02, 2018 11:30 AM

財政黒字化「25年度」 政府目標、5年先送り

 政府が来月決定する新たな財政健全化目標で、国と地方の基礎的財政収支の黒字化時期を2025年度とする方向で検討していることが2日分かった。教育無償化で収支が悪化することなどを理由に従来目標から5年先送りする。達成には25年度時点で3兆8000億円を超える収支改善が必要と見込まれており、社会保障費などの抑制策を併せて提示する。大型連休が明けてから与党と本格的な調整に入る。

 安倍政権は消費税率10%への増税を2度延期したのに続き、増税時の増収分を借金返済から教育無償化に一部振り向けることを昨年決め、それまで目指してきた20年度の黒字化を断念した。新目標で黒字達成を5年も遅らせることで、財政再建が後退することへの懸念が強まりそうだ。

 増税延期や度重なる補正予算で赤字削減は遅れ、教育無償化を決める以前から20年度の黒字化は絶望的だと市場では見られていた。内閣府が今年1月に示した試算では、実質2%前後の高い経済成長を前提にしても25年度で3兆8000億円程度の赤字が残り、黒字転換は27年度に遅れる見通しだった。25年度に黒字化するには、高齢化で膨らみ続ける社会保障費の抑制策が不可欠となる。(共同)