Friday, May 04, 2018 12:44 PM

北朝鮮核、拉致解決で協力 日中、板門店宣言評価

 安倍晋三首相は4日夕、中国の習近平国家主席と電話会談し、北朝鮮による日本人拉致問題の早期解決へ向けた協力で一致した。核・ミサイル放棄への緊密連携でも合意。南北両首脳が発表した「完全な非核化」を柱とする板門店宣言を評価する考えも共有した。会談終了後、首相や西村康稔官房副長官が記者団に明らかにした。日本の首相と中国国家主席の電話会談は初めて。

 会談で首相は、日朝平壌宣言に基づいて拉致・核・ミサイル問題を包括的に解決し、北朝鮮との国交正常化を目指す立場を伝達。拉致問題で中国側の協力を要請した。両首脳は、国連安全保障理事会の制裁決議について、洋上で物資を積み替える「瀬取り」の取り締まりなど、制裁の厳格履行が重要だとの認識を確認した。

 会談時間は約40分間。6月上旬までに見込まれる米朝首脳会談を前に、北朝鮮の非核化などへ向けた双方の立場を擦り合わせるため、日本側が呼び掛けた。習氏は3月26日、北京で北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と初会談しており、中国が北朝鮮に影響力を持つことを踏まえた。(共同)