Tuesday, May 08, 2018 11:07 AM

武田、欧州大手7兆円買収 日本勢で過去最高額

 武田薬品工業は8日、欧州医薬品大手シャイアーを460億ポンド(約7兆円)で買収することに合意したと発表した。国内勢で過去最高額の海外企業の買収となる。医療用医薬品の売上高は両社の単純合算で計2兆8135億円となり、業界で世界9位に浮上。トップ10に入る製薬会社が日本で初めて誕生する。武田は新薬開発を強化して収益を拡大し、生き残りを目指す。

 国内企業の海外買収では、ソフトバンクグループによる2016年の英半導体開発大手アーム・ホールディングス(約3兆3000億円)が最大だった。国内市場の縮小を背景に日本企業が規模拡大を求めて海外企業を相次ぎ買収しているが、過去には失敗した事例もある。買収効果を早期に発揮できるか、武田経営陣の手腕が問われる。

 武田は世界最大の米国市場でシェア拡大を急ぐ。ただ買収構想が表面化して以降、財務悪化や大量の新株発行が警戒されて株価は下落傾向にある。株主総会で承認を得られるかが今後の焦点だ。(共同)