Wednesday, May 09, 2018 10:05 AM

視覚障害者も景色楽しめる〜フォード、新技術を共同開発

 フォードは、視覚障害者が車から見える景色を感じられる高機能カー・ウィンドウをイタリアの新興企業と共同開発した。

 オートカーによると、新しい技術は「Feel The View」と呼ばれ、景色をLED照明で再生し、濃淡の差を強めた白黒画像にして弱視、または視力のない搭乗者に提供する。全盲の人がディスプレイ(窓ガラス)に触ると、カメラが捉えた外の景色と連動する振動を感じ、振動の強弱によって白から黒まで225段階の濃淡を実感できるという。ディスプレイのほかにも、人工知能(AI)が外の景色を説明する音声アシスタント機能もある。

 フォード広報は「私たちは人々の暮らしをより良くする方法を模索している。Feel The Viewは目が不自由な搭乗者に、運転の素晴らしい一面を経験する機会を提供する。先進的だが仕組みは単純な技術によって、単調な旅を記憶に残るものに変えられるのではないか」と説明した。

 Feel The View技術は、フォードのイタリア部門が同国の視覚障害者向け製品メーカー、アエド(Aedo)と協力して開発した。まだ試作段階だが、自動車が将来担う役割の一部を示している。

 英国王立盲人協会(RNIB)は、フォードによる視覚障害者のための技術開発を支援してきた。RNIBのイノベーションマネジャー、ロビン・スピンクス氏はBBCに「この技術は障壁をなくし、視覚のない世界で生きる人の旅をより楽しいものにできる」と語った。