Friday, June 01, 2018 11:10 AM

ラホイ首相が退任 スペイン政権交代へ

 スペイン下院(350議席)は1日、中道右派、国民党の少数与党政権を率いてきたラホイ首相(63)の内閣に対する不信任決議案を可決した。採決を前にラホイ氏は「スペインを良い方向に導くことができて光栄だった。皆さんに感謝する」と演説し、退任表明した。

 野党第1党で穏健左派の社会労働党を率いるサンチェス書記長(46)が「反国民党」勢力による連立政権の樹立を目指す。ただ、安定的な政治運営は困難とみられ、政治空白が続いたイタリア政局とともに欧州経済のリスク要因とも指摘される。

 スペイン捜査当局が2009年から解明を進めた国民党の政治資金を巡る巨額不正事件で、裁判所が5月24日、党幹部や国会議員、関係業者ら計29人に有罪判決を下した。サンチェス氏は「ラホイ氏に政権を率いる資格はない」と非難し、不信任案を提出していた。(共同)