Friday, June 01, 2018 11:11 AM

仏、高速炉計画の規模縮小 「実用化の緊急性低い」

 廃炉が決まった高速増殖原型炉もんじゅ(福井県)の後継機開発について議論する経済産業省の作業部会に1日、フランス原子力庁(CEA)の担当者が出席し、日仏で共同研究を進める高速炉実証炉「ASTRID(アストリッド)」の計画を大幅に縮小する方針を明らかにした。高速炉の実用化の必要性について「緊急ではない」との見解も示した。

 もんじゅの廃炉を決めた日本は、当面の高速炉開発の柱としてアストリッドを活用する方針だったが、規模縮小で日本の開発計画も見直しを迫られる可能性がある。経産省は「内容を精査し年末までに協力を継続するか判断する」としている。

 作業部会でCEAの担当者は「現在のウラン市場の状況をみると、高速炉の実用化の必要性はそれほど緊急ではない」とフランス政府の立場を説明。アストリッドの出力を当初予定していた60万キロワットから10万〜20万キロワットに縮小する方針を説明し「当初の計画よりも低コストで必要なデータが得られる」と強調した。(共同)