Tuesday, June 05, 2018 11:40 AM

五輪後見据え財政出動 歳出数値目標見送り

 政府は5日、経済財政諮問会議を開き、経済財政運営の「骨太方針」案を示した。2019年10月の消費税増税や20年の東京五輪・パラリンピック後に景気を失速させないよう財政出動の余地を確保。消費税増税時の家計負担軽減に予算、税制両面で万全の策を講じる。国と地方の基礎的財政収支の黒字化時期を従来目標から5年遅らせて25年度とし、社会保障などの歳出抑制に向けた数値目標の設定は見送った。15日の閣議決定を目指す。

 安倍晋三首相は増税に当たり「経済変動を可能な限り抑制するため機動的に対応する」と述べ、景気対策に取り組む考えを示した。

 国内景気は12年末から長期回復が続く。骨太方針案も「デフレ脱却への道筋を確実に進んでいる」と評価したが、増税や五輪後に需要が急減して景気が悪化することも懸念されている。方針案は財政健全化には実質2%、名目3%を上回る経済成長が必要で「景気を腰折れさせないペースと機動性をもって行う」と強調した。成長重視の政策運営が改めて鮮明となり、歳出改革が後回しとなる懸念が強まった。(共同)