Tuesday, June 19, 2018 10:59 AM

米、対中政策で不協和音 トランプ政権と議会

 米国の対中政策を巡り、トランプ政権と議会との間に不協和音が生じている。政権は米国の輸出規制に違反した中国の通信機器大手、中興通訊(ZTE)に対する制裁を解除すると発表したが、欧米メディアによると、上院は18日、制裁解除を阻止する法案を可決した。足並みの乱れは、中国との貿易協議を一段と難しくする可能性がある。

 米商務省は7日、ZTEへの制裁解除で中国側と合意したと発表。トランプ大統領の主導だった。史上初の米朝首脳会談を控え、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長に対する影響力を持つ中国の習近平国家主席に恩を売るのが狙いだったようだ。

 これに対し、上院は制裁を解除すれば、ZTEが米国の知的財産権を侵害する恐れがあると判断。解除を阻止する条項を重要な国防権限法案に盛り込み、与野党の幅広い賛成で可決した。下院は解除阻止が入っていない別の国防権限法案を可決済みのため、今後、上下両院で一本化を探る。(共同)