Friday, June 22, 2018 11:22 AM

地上イージスに地元反発

 小野寺五典防衛相は22日、政府がミサイル防衛強化策として導入を目指す地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」を巡り、候補地の山口、秋田両県を相次いで訪れ「北朝鮮の脅威は何も変わっていない」と配備への理解を要請した。山口県の村岡嗣政知事は「納得できる説明をしてほしい」と要求。秋田県の佐竹敬久知事は「地元感情を軽視している」と反発した。米朝の緊張緩和を受け、地元説得の難しさが鮮明となった。

 秋田での会談で小野寺氏は、政府が北朝鮮のミサイル発射を想定した住民避難訓練を見合わせることに関し「警戒を緩めているわけではない」と釈明。山口県では「北朝鮮は数百発の日本に届く弾道ミサイルや、かなりの数の核弾頭を保有し、具体的な廃棄の動きもない」と強調した。佐竹知事は会談後「(住民避難訓練を見合わせるなら)イージス・アショアの配備が最適かどうかも検証し直すべきだ」と記者団に語った。

 配備候補地の陸上自衛隊むつみ演習場のある山口県萩市や阿武町側は、住民にレーダーの電磁波による健康被害や、攻撃目標になるとの懸念があると紹介。小野寺氏は透明性のある調査を進める考えを示した。(共同)