Friday, August 19, 2016 9:50 AM

「余震」使わず注意喚起 熊本教訓に、気象庁

 気象庁は19日、大地震の翌日から「余震確率」として公表していた地震活動の見通しについて、今後は地震活動を1週間程度見極めた上で、余震という言葉を使わずに注意喚起する方式に改めると発表した。余震の発生確率は算出するが「平常時の約50倍」などと、可能性が高いことを強調する表現にする。震度7が連発した4月の熊本地震を教訓にした措置で、19日から運用を始めた。

 熊本地震では最初の地震の翌日に気象庁が「震度6弱以上の揺れとなる余震が発生する可能性は3日間で20%」などと公表したが、次の日にさらに大きな地震が発生。余震確率が小さく大きな地震は発生しないと受け止められ、被害が拡大したとの批判があった。そのため政府の地震調査委員会が情報発信の在り方を検討していた。

 新たな方式では「余震」という表現自体が、より大きな地震は発生しないとの印象を与えるとして、「地震」を用いる。大地震の直後は本震の見極めが難しいため、発生1週間以内は「同規模の地震に注意」などとする。震源が深さ30キロまでの内陸地震の場合は「まれに、より大きな地震の発生もある」、三陸沖と択捉島沖といった地震が続発しやすい海域では「同規模か、それ以上もありうる」などと、発生場所や震源の深さに応じて注意喚起する。(共同)