Wednesday, July 18, 2018 11:33 AM

芥川賞に高橋弘希さん 直木賞は島本理生さん

 第159回芥川賞、直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が18日、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、芥川賞は高橋弘希さん(38)の「送り火」(文学界5月号)に決まった。直木賞は島本理生さん(35)の「ファーストラヴ」(文芸春秋)。芥川賞候補で、参考文献との類似表現があるなどして問題となった北条裕子さん(32)の「美しい顔」は選ばれなかった。

 記者会見した高橋さんは「うれしいっちゃうれしいけど、賞が欲しくて書いている人はいない。結果として取れて、ああ良かったなって…」と、ひょうひょうとした口ぶり。島本さんは「自分が納得できる小説で受賞できることが一番大きい。この小説で良かった」と喜びを語った。

 高橋さんは青森県生まれ、千葉県在住。新潮新人賞や野間文芸新人賞を受けている。受賞作は、暴力性をはらむ遊戯に興じる少年たちを、静かな筆致で描いた。選考委員の島田雅彦さんは「言葉を使って別世界を構築するフィクションの醍醐味を十分に示す快作だという(委員の)意見が説得力を持った」と語った。(共同)