Thursday, July 26, 2018 10:49 AM

エクソン、気候変動否定するロビー団体から脱退

 石油大手エクソンモービルが、保守派の富豪コーク兄弟が支援する気候変動に否定的なロビー団体、米国立法交流評議会(ALEC)から脱退していたことが分かった。

 グリーンカー・リポーツによると、脱退は6月。エクソンモービル、ALECとも理由は公表していないが、エクソンは2017年、政府に二酸化炭素(CO2)排出量の規制を促す当局の重要な事実認定を覆すようトランプ政権に働きかけるべきかどうかで他のALECメンバーと意見が対立していた。

 ALECは、州議会を通過させられるような模範的法案を作成したり、石油業界寄りの立場を取ったりする団体として知られる。エクソンモービル以前にも、BP、コノコフィリップス、オクシデンタル・ペトロリアムといった石油大手が脱退しており、グーグル、ヤフー、フェイスブック、イェルプなどのIT大手も2014年、気候変動を否定する姿勢に反発して脱退している。

 ワシントン・エグザミナー紙の最近の報道によると、ALECでは17年12月の会議で、保守派メンバーであり地球気候変動を疑問視する研究の支援などで知られるハートランド研究所が、連邦環境保護局(EPA)が09年にまとめた「温室効果ガス(GHG)は公衆の衛生と福祉に脅威を及ぼす」との認定(endangerment finding)を覆すよう政府に働きかけることを提案。エクソンはこれに強く反対したという。

 EPAはこの認定で、メタンやCO2を含む8種類のGHGが地球温暖化を促進しており人体に有害と指摘し、同局が排出量を規制することを求めた。また、自動車燃費基準の引き上げやクリーン・パワー・プランの導入にもつながった。しかし、現在のトランプ政権はクリーン・パワー・プランの撤廃を目指している。

 エクソンモービルは自社ウェブサイトで「気候変動は明白であり、そのリスクは行動を正当化する。大気への炭素排出量増加が温暖化をもたらしており、より詳細なリスクの数値化や評価のために行動を起こさなければならないことは科学的、政策的に広く一致した意見になっている」と説明している。

 同社はエクザミナーの取材に対し「ALECへの加盟は、団体加盟に関する通常の見直しの一部として6月に停止した」と説明している。