Tuesday, August 23, 2016 11:25 AM

主要穀物の国際相場下落 豊作で小麦10年ぶり安値

 小麦価格が約10年ぶりの安値圏にあるなど主要穀物の国際相場が下落している。米国やロシアなど主産地が好天で豊作が見込まれることに加えて、最大消費地である中国の景気減速やエネルギー価格の低下で需要が伸び悩んでいるからだ。食用や飼料用の穀物を輸入に頼る日本に恩恵となる一方、主産地の農家収入には打撃で世界経済の波乱要因となる懸念もある。

 夏場に収穫期を迎えた小麦は、世界の主産地で生産量が拡大している。指標となるシカゴ相場は、7月に1ブッシェル(約27キロ)当たり4ドル近辺と、2006年9月以来の水準まで下がった。

 米農務省によると、トウモロコシは世界最大の産地である米国で今年は過去最高の収穫量となる見通し。アルゼンチンやインドでも生産が伸びており、価格は約7年ぶりの低水準となっている。ガソリン安でバイオ燃料のエタノール向け需要が低迷していることも、トウモロコシ価格が軟調な原因だ。(共同)