Tuesday, August 14, 2018 10:28 AM

リーマン、債務1246億ドル返済 米好景気追い風、計画の倍

 2008年9月に経営破綻したリーマン・ブラザーズが、債権者に累計1246億ドル(約13兆8000億円)を支払っていたことが14日、分かった。米国の景気拡大を追い風に、返済額は当初計画された約650億ドルの約2倍に達した。保有する資産価格の値上がりが要因だが、金融緩和など官製バブル頼みの危うさも漂う。

 米国の住宅バブル崩壊に端を発し、世界的な株安や景気悪化を招いた「リーマン・ショック」から10年。一時10%近くまで上昇した米失業率は3%台に改善し、ニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は2・3倍になるなど、米国は日本がバブル崩壊後に直面した「失われた10年」に陥ることは回避した。

 ただ返済額を押し上げた資産価格の上昇は、長期間の金融緩和やトランプ政権の大型減税などに支えられているとの見方も。米中貿易摩擦の激化などで風向きが急変する可能性もある。最終的な返済額は経営破綻時の負債総額には遠く及ばないとみられる。(共同)