Tuesday, August 14, 2018 10:28 AM

新興国通貨が乱高下 トルコ大統領、対米強硬

 トルコの通貨リラの急落が13日、新興国全体に波及、各国通貨が対ドルで乱高下した。アルゼンチンが政策金利の年45%への緊急利上げを強いられるなど、新興国は一段の通貨安を避けようと防戦に追われた。米国の利上げが通貨下落の背景にあり、投資家はリラ・ショックを契機に資金を新興国から米国に移す動きを強めている。

 トルコのエルドアン大統領は14日、トルコが米国の電化製品を「ボイコット」すると語った。地元メディアが伝えた。対米強硬姿勢を改めて示した。米国との関係悪化を要因にリラへの売り圧力が強まっている。トルコ在住の米国人牧師の拘束を巡り、米国がトルコの2閣僚に制裁を科すなど両国の対立は深刻化している。トランプ大統領は、トルコの鉄鋼に課す関税を25%から50%に倍増させる輸入制限の強化を表明。14日には最新鋭ステルス戦闘機F35のトルコへの売却を凍結した。

 14日の金融市場は日経平均株価が反発、欧州株もおおむね落ち着きを取り戻した。しかし両国の対立が続けば、対ドルでリラの動きが一段と不安定になる恐れがある。他の新興国通貨にも波及し、世界経済の圧迫要因となる懸念がある。(共同)