Tuesday, August 21, 2018 10:56 AM
制裁、市民の健康むしばむ イラン、医薬品不足
イラン核合意を離脱したトランプ政権の制裁再発動から21日で2週間。米国は制裁に関し「標的はイラン国民ではない。支配体制の有害な行動を改めさせるため」(米高官)とするが、イランでは医薬品が不足し価格が急騰、市民の暮らしがむしばまれている。「制裁で苦しむのは国民。トランプ氏は分かっていない」。切実な訴えが広がる。
19日、テヘラン中心部の政府系薬局の扉は閉ざされていた。在庫不足が理由だが、薬を求める約70人がいつとも知れない開店を待つ。肺がんの夫の治療薬を探す主婦ナルゲス・デルロバさん(51)は「どこに行っても見つからない。闇市場でも買えなかった」と途方に暮れていた。
医師に薦められた薬は外国製。米政府は市民生活を守るため「食料と医薬品は制裁対象にしない」(同高官)とするが、現実には影響が拡大する。「米国は普通の人々の命を脅かしたいのか」。深刻な病状と診断された夫に薬を届けたい一心のデルロバさんは、憤りを隠さなかった。(共同)
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