Tuesday, August 28, 2018 10:41 AM

リチウム生産量、今後4年で3倍増へ

 リチウム電池の需要の高まりを受け、世界のリチウム生産量は今後4年間で3倍に増加するとの見通しを、データ解析会社グローバルデータが発表した。

 グリーンカー・コングレスによると、2010〜17年に年6.4%のペースで伸びていたリチウムの生産量は、18〜22年に3倍に増えて15万4000トンに達し、増加分のうち8万6000トンは電気自動車(EV)やスマートフォンのバッテリー向けとなる見通しだという。現在最も生産量が多いのはオーストラリアの1万8300トンで、チリの1万4100トン、アルゼンチンの5500トンが続いている。

 連邦地質調査所(USGS)によると、17年の世界リチウム生産は、オーストラリアにおける3件のリシア輝石(リチウムを含む鉱物)事業と、アルゼンチンとチリのブライン(リチウムを含む有塩水)事業1件ずつが大半を占めた。世界最大の生産業者はSQMで、シェアは25%。これにTalison(24%)、Albemarle(17%)、FMC(9%)が続いている。

 オーストラリアは、Pilgangoora、Wodgina、Bald Hill、Mt Hollandの鉱山採掘により、今後4年間に増加する量の37%を占めると予想される。残りはアルゼンチンが29%、カナダが16%、チリが9%、米国が6%、メキシコが4%を占める見通し。

 USGSによると、世界のリチウム埋蔵量は継続的な探査によって大幅に増加しており、現在は計5300万トンを超えている。このうち米国で特定されているのは、大陸ブライン、地熱ブライン、ヘクトライト、油田ブライン、ペグマタイトなど計680万トン。

 他の国は約4700万トンで、アルゼンチンが980万トン、ボリビアが900万トン、チリが840万トン、中国は700万トン、オーストラリアは500万トン、カナダは190万トン、コンゴ(キンシャサ)、ロシア、セルビアが各100万トン、チェコは84万トン、ジンバブエは50万トン、スペインは40万トン、マリは20万トン、ブラジルとメキシコは各18万トン、ポルトガルは10万トン、オーストリアは5万トン…となっている。