Thursday, August 25, 2016 10:01 AM

チーズと一緒に食べられる包装材、3年で実用化か

 包んであるチーズやステーキと一緒に食べられる包装材の実用化に期待が高まっている。

 USAトゥデイによると、農務省の研究チームは今週開かれた米化学学会(ACS)の総会に招かれ、乳タンパク質のカゼインを材料にした包装材の研究報告を行った。新包装材は、チーズやステーキなどの食品を包むのに使われるプラスチックのフィルムに置き換わる可能性があり、生分解性で食べられるだけでなく、堅く結合して酸素を遠ざける効果がプラスチックより500倍以上高いため、スーパーで売られる食品の鮮度を長く保てる利点がある。

 研究を主導するレティシア・ボナイー博士は、カゼイン製フィルムの3年以内の実用化を期待している。現在は食品を1個ずつ包む包装材を試験しているという。

 フィルムはこのほか、粉末コーヒー1杯分を包むのにも使えて、そのまま湯に入れてかき回せば溶ける。このため、湯を沸かした鍋の中にインスタントラーメンを袋ごと入れるといった使い方も考えられる。朝食用のシリアルの場合も、砂糖によるコーティングがコーンフレークの湿り気を防ぐのに役立っているが、液状のタンパク質を吹き付ける方法が選択肢に加わる。たんぱく質自体には味がほとんど無く、風味やビタミンを加えることも可能だ。

 ただ、フィルムを清潔に保つため、商品はラップ包装した上にプラスチックやボール紙の容器が必要になる。でんぷんが原料の食べられる包装材は実用化されているが、表面の穴がより小さいカゼインの方が酸化防止効果が高いという。