Thursday, October 04, 2018 10:53 AM
スマトラ地震教訓生かせず 津波対策、予算不足で放置
地震多発国のインドネシアは、同国などで22万人以上が死亡・行方不明になった2004年のスマトラ沖地震以降、観測ブイ設置などの津波対策に乗り出した。だが、その後、政府は予算不足を理由に整備を怠り、9月28日にスラウェシ島で起きた地震ではブイは1基も作動しなかった。14年前の悲劇の教訓は生かされず、多くの人命が再び失われた。
「地震発生時は携帯に気象当局から地震情報のショートメッセージサービス(SMS)が届いたが、津波警報のSMSは届かなかった」。スラウェシ島の地震の被災地パルのホテル従業員ヨヨさん(49)は証言する。ほかの住民も避難警報のサイレンは「聞いていない」と口をそろえた。
政府は14年前のスマトラ地震後、スマトラ島やジャワ島、マルク諸島近海などに計22基のブイを設置した。だが年間350億ルピア(約2億6000万円)以上の維持費を工面できず、修理もせず放置。点検の不備や部品の盗難で「12年以降、全て稼働していない状態」(国家災害対策庁のストポ報道官)だった。(共同)
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