Thursday, October 04, 2018 10:53 AM

来秋にもiPS心筋移植 大阪大、地震被災で遅れ

 人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作った「心筋シート」を重症心不全患者の心臓に移植する大阪大チームの臨床研究は、来年秋ごろに1例目の移植が実施される見通しとなったことが4日、分かった。iPS細胞の心臓病治療への利用は世界初。

 臨床研究は厚生労働省の専門部会が今年5月に大筋で承認。本年度中に1例目の移植を実施する計画だったが、6月の大阪府北部地震で同府吹田市にある研究施設が被災し、移植用の細胞の培養に遅れが出て、来年4月以降に延期する方針を固めていた。具体的な実施時期が判明するのは初めて。

 チームの澤芳樹教授が4日、大阪市内で開かれた日本耳科学会総会・学術講演会で「来年の今ごろにはスタートしたい」と明らかにした。(共同)