Friday, October 05, 2018 11:03 AM

性暴力と闘う2人に平和賞 コンゴ医師、元奴隷女性

 ノルウェーのノーベル賞委員会は5日、2018年のノーベル平和賞を、アフリカ中部コンゴ(旧ザイール)で性暴力と闘い、民兵らによる被害女性の治療に尽力してきた男性産婦人科医デニ・ムクウェゲ氏(63)ら2人に授与すると発表した。もう1人は、過激派組織「イスラム国」(IS)に性奴隷として拘束され生還し、性暴力根絶を訴える活動を続けるイラク人女性ナディア・ムラド氏(25)。

 「戦争の武器としての性暴力終結に向けた努力」が授賞理由。レイスアンデルセン委員長は、2人が身の危険を顧みず戦争犯罪と闘い、被害者のために正義を追求したと評価した。「女性への虐待に目を向けることが重要」で、性被害を告発する「#MeToo」(「私も」の意)運動とも共通すると指摘した。

 紛争下での女性への性暴力は、ISが一時勢力を広げたシリアやイラクで横行し、ナイジェリアでもイスラム過激派が少女を集団で拉致するなど深刻化した。レイスアンデルセン氏は授賞意図について、性暴力に対し「国家、コミュニティー、国際社会が責任を持つこと」だとし、根絶に向けた取り組みを求めた。(共同)