Monday, August 29, 2016 9:59 AM

クルド人勢力「根絶」 トルコ大統領、衝突激化も

 トルコ軍のシリア北部への地上侵攻を巡り、トルコのエルドアン大統領は28日、南部ガジアンテプで演説し、過激派組織「イスラム国」(IS)と同様、シリアの少数民族クルド人勢力を根絶する決意だと述べ、戦線の拡大を示唆した。クルド人側の反発は必至で、衝突がさらに激しくなる可能性がある。

 民間の被害が拡大する中、トルコと同盟関係を結び、クルド人勢力を支援する米国の出方が、沈静化に向けた焦点となりそうだ。米国防総省のクック報道官は28日「衝突は受け入れ難い。直ちに休戦し、戦闘回避に向けて適切な処置を取るよう各勢力に求める」と強調した。

 トルコ軍はシリア反体制派とともに24日にシリア北部に地上侵攻。ISの拠点だったジャラブルス制圧後は攻撃の矛先をクルド人勢力に向け、シリア人権監視団(英国)によると、トルコ軍による28日の空爆でクルド人勢力支配下の民間人少なくとも35人が死亡した。(共同)