Tuesday, October 23, 2018 10:50 AM

「不適切」4事例明示 長期浪人や女子不利益も

 文部科学省は23日、医学部医学科を持つ全国81大学に実施している医学部入試の緊急調査の中間報告を公表した。試験の得点が同じでも、長期浪人生や女子は面接試験などでより高い評価を得ないと合格にならないといった「不適切な可能性が高い事例」を四つ明示。しかし、調査継続などを理由に、既に不正が明らかになっている昭和大を除き該当する大学名や校数は示さず、来年の入試に向け受験生の混乱は避けられそうにない。

 中間報告は10月中旬までに訪問調査した30校が対象。その後の東京医科大を除く残り50校への調査過程で、公表事例に当てはまる大学が新たに確認されたことも判明し、医学部入試への疑惑は拡大した。不適切な事例に当たる大学には自主的な公表を求めており、文科省は最終的な調査結果を年内にまとめる。

 公表事例は、長期浪人生や女子を面接などで不利としたケースのほかに、①調査書や書類審査で現役生に加点し、長期浪人生には加点しない②卒業生の子女ら特定受験生は合格圏外でも合格させる③繰り上げ合格を伝える際、総合得点下位の特定受験生に先に連絡するーといった内容。(共同)