Tuesday, October 30, 2018 10:27 AM

米学生に被爆の苦悩証言 ピースボート乗船の空さん

 非政府組織(NGO)ピースボートの船で世界一周の航海を続けている被爆者空民子さん(76)=広島市中区=が29日、訪問先のニュージャージー州ニューアークのラトガース大で、学生ら約200人を前に自身の苦悩に満ちた被爆体験を語った。

 3歳のころ、爆心地から約1.4キロの自宅で被爆した空さんは当時の状況について、近くの通りに多くの死体が横たわり「生き地獄だった」と振り返った。

 幼いころは「汚い」とののしられ、被爆者健康手帳が交付された後は「病気になっても医療費がかからなくていいね」と心ない言葉を周囲から投げ掛けられることもあり「いつまでたっても肩身の狭い思いをしている」と苦しい胸の内を吐露。 多くの困難もあるが、良き理解者である夫のおかげで幸せな人生を送れていると語り、最後に「核のない、戦争のない平和な世の中にしていきたい」と訴えると、学生らから大きな拍手が起こった。(共同)